2023年 JOLCOマーケットの動向調査
2022年度の市場規模は3,097億円(出資金額)、116件(販売件数)と推計
2023年度は3,575億円と見込み、2025年度以降に市場回復と予測
- 2023年(2022年度)のJOLCO市場は3,097億円(前年度比1%増)、116件(同14.9%増)と推計。予想外の円安進行、航空機のサプライチェーン遅延による機体調達遅れなどが影響し市場回復は2025年度以降と予測
- 投資家需要は旺盛だが円安、金利上昇でリスク感度高まり慎重姿勢が強い
- 専業会社が新たに株式上場を果たし、再注目
航空機1,993億円、船舶859億円、コンテナ245億円で各々対前年度比増
- 従来80%近いシェアを占めていた航空機は、コロナ禍の影響で2019年度に66.5%に縮小、2022年度も64.4%で推移。2023年度以降は航空機のサプライチェーンの停滞解消を受け新造機案件が増加。船舶のシェアが低下し、2024年度には航空機がコロナ前の水準を回復して70%台に回復すると見込む
- 組成案件は航空機、船舶分野共に欧州に集中し、競争激化が続く。航空機では中東でも組成進む
- リース会社等では、海外の有力金融機関、国内外の事業会社等との協業で組成力をアップ、営業面でもDXに取組む企業も
JOLCOの対象業界で進むSDGsは長期的にポジティブ、投資マインドに貢献
JOL+JOLCO全体市場で、JOL比率が4割超とシェアUP
- コロナ禍で堅調な海運業界はカーボンニュートラルの取組みの進展で、LNG船等の輸送量が減少すると予測され長期的にはネガティブな面もあるが、エコシップへの取組みはポジティブと見る。なお、海外の新造船舶の「特別償却」について、影響は軽微
- 航空機分野は、コロナ禍の影響で苦境が続いていたがサプライチェーンの停滞解消など足元は回復傾向にあり短期的にネガティブな面もあるが、燃費効率の高いニューゼネレーション機への入れ替え、SAF(持続可能な航空燃料)の開発や実用化面への取組みから長期的にポジティブと見る
- JOLCOは経済合理性の他、「SDGsへの間接的な貢献投資」をプラスαの要素として併せ持つと推察する
- 2019年1月のIFRS16号の適用時と同様、2023年5月公表の改正リース会計基準草案でも、オペレーティングリースのオンバランス化の影響は軽微
- 2022年度の航空機のJOLは堅調に推移しコロナ前の水準を回復、JOLCO+JOL全体シェアも4割超に
リサーチ要綱
〇対象:JOJCOを扱うリース会社、専業会社など約10社
〇期間:2023年4月
〇方法:専門研究員による対面取材
※JOLCOとは、一般的に航空機、船舶、コンテナ等を対象とした日本型オペレーティングリース(JOL)のうち購入選択権(Call Option)が航空会社などの賃借人に付与されたもので、匿名組合が金融機関からの借入金と複数の中小企業など(投資家)からの出資金で資金調達して航空機などを購入しリースするもの。投資家には、出資から生じる計画納税が可能となる延税効果のある金融商品である。
※本JOLCOマーケット調査は、可能な限りJOLの出資金を除いて集計したが、一部含まれるものもある。
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-業界動向について解説を加えていますので、概要を把握するのに役立ちます-
•体裁:A4判、12ページ
•内容:前掲の「JOLCOの出資金額(市場規模)」、「JOLCOの販売件数」、「分野別構成比の推移」、「分野別市場規模の推移」の4つのグラフに加えて、「JOLCO+JOLの出資金額」、「出資先別(航空機JOL、航空機JOLCO、船舶、コンテナ)の出資金額推移」、「JOLCOとJOLの出資金額構成比」、「JOLCO+JOLの販売件数」、「航空機のJOLCO+航空機JOLの出資金額構成比」、「航空機(JOLCO+JOL)のボディサイズ別(機数ベース)構成比」のグラフを掲載
この他、【マーケット動向】(全体観、投資家のマインドと動向、リース会社等の動向)、【分野別の動向】(航空機分野、船舶分野、コンテナ分野)、【課題と展望】について少し詳しく記述(6,400文字程度)。
※JOLの数値は、JOLCOを扱う企業のみで推計しているため、業界全体の数値ではありません